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AIが「買い物代行」をする時代へ

AIが「買い物代行」をする時代へ

*この記事の作成にはAIを利用しています。

筆者が気になるAI関連のニュースについて調査した内容、意見などを記載しています。

記事内の意見は筆者個人のものとなります。


1. Walmart × OpenAI の提携が意味するもの

2025年10月14日、WalmartはOpenAIと提携し、「Instant Checkout」機能の採用を発表した。

Instant CheckoutはユーザーがChatGPT上で商品を検索し、そのまま購入まで完結できる機能だ。

発表当初はEtsy、Shopifyと限定的だったが、Walmartとの提携発表に見られるように、今後も対応する小売業者やブランドが拡大するものと思われる。

🔗 Walmart提携の報道


2. Agentic Commerceを支える中核技術


2.1 Agent Payments Protocol(AP2)

まずGoogleが先行して発表したのが、「Agent Payments Protocol(AP2)」

AIが人の代わりに支払いを実行できるようにするための国際的な技術仕様だ。

JCB、MastercardやPayPalなどの決済大手が参加し、AIが安全に支払うための共通ルールを整備している。

ユーザーは「このAIに○○円まで購入を許可する」といった“デジタル署名付き許可(mandate)”を発行でき、AIが誤って無制限に買ってしまうことを防ぐ仕組みだ。

🔗 Google公式発表


2.2 Agentic Commerce Protocol(ACP)

その後に登場したのが、OpenAIとStripeが共同で開発した「Agentic Commerce Protocol(ACP)」。

こちらは支払いだけでなく、商品選定・カート生成・注文・配送連携までを標準化する仕様だ。

ChatGPTのInstant Checkout機能はこのACPを実装しており、チャット内で商品を見つけ、確認し、購入完了までスムーズに進められる。

🔗 OpenAI公式発表

🔗 国内報道(PR TIMES)


3. AIショッピング、すでに始まっている利用の広がり

Agentic Commerce自体は始まったばかりだが、AIによる買い物は既に多くの消費者が使い始めている。

主な事例はアメリカのものとなるが、参考となるのは以下のような記事だ。

• Salesforceの「Connected Shoppers Report」によると、消費者の39%がすでに商品探索にAIを利用。Z世代では半数以上がAIを活用している。

🔗Salesforceレポート

• eMarketerの調査では、65%の消費者が「希望価格に達したらAIに買ってほしい」と回答。ただし「完全に任せたい」は47%にとどまり、最終確認したい心理が残っている。「AIツールにデータ共有しても構わない」層は24%と更に少数となり、利便性とプライバシーのバランスにまだ忌避感があるのも事実だ。

🔗eMarketer

Kearneyの分析では、米国ではすでに「AIショッピングエージェントを使いたい」と答える層が多数派。技術先行型、価格志向型、プライバシー慎重派、ブランド忠誠層の4タイプに分類される。

🔗Digital Commerce 360


こうしたデータは、「AIで買う」行動が一部の技術好きだけでなく、一般層にも浸透し始めていることを示している。


4. ネット販売の課題と、Agentic Commerceがもたらす解決の方向性

インターネット販売が普及するまでの過程では、数多くの課題が存在した。

セキュリティ、信頼性、購買体験の欠如、価格変動やトラブル対応などは、時間をかけて技術と制度で克服されてきた。


Agentic Commerce(AIによる購買代行)においても、同じ課題にどう答えるかが重要となってくる。

これまでの課題

AI(Agentic Commerce)による改善策

それでも残る懸念

① セキュリティ不安(クレジット情報流出や不正アクセス)

AP2による「署名付き許可」やトークン化で安全性向上

AIがどの範囲まで個人情報を扱うか不透明。AI間通信でのデータ漏洩リスク

② 商品の信頼性と品質ギャップ(実物と違う、レビューが当てにならない)

AIがレビューを要約し、信頼性の高い情報を提示

AIが生成した内容の誤り(幻覚)や、偏った推薦による「情報の歪み」

③ 手続きの煩雑さ・UXの悪さ

チャット上で購入完結。確認も自然言語で可能(ACP)

自動化が進むほど“確認不足”や“誤購入”が起きる可能性。人の最終判断をどこまで残すかが課題

④ 返品・トラブル対応の負担

AIが返品申請・配送追跡を代行しサポート

“AIが処理した”結果の責任は誰が取るのかという制度的課題(販売者・AI・プラットフォームの線引き)

⑤ 不正販売・詐欺サイトのリスク

ACP対応マーチャントのみに限定する設計

AIが未認証サイトを誤って推薦する可能性。人の監査機構が依然重要


5. 今後の展望と日本市場の行方


5.1 Amazonは「Rufus」で自前のAgentic Commerceを構築するか?

WalmartがOpenAIと提携してChatGPT上での購買体験を拡大している一方で、

Amazonは自社開発のAIショッピングアシスタント「Rufus」によって、独自の方向からAgentic Commerceを進めている。


Rufusは2024年に導入されたAmazon公式のチャットボットで、

商品検索・比較・購入サポートをチャット形式で提供する。

Amazonのページをよく見る人は既に使った方もいるだろう。

例えば「初心者向けのゲーミングPCを探して」と話しかけると、おすすめの商品を提示してくれる。


これは、Amazonが持つ以下の強みを最大限に活かす動きでもある。

• 巨大な商品データベースとレビュー情報

• 統合された自社決済・物流網

• Prime会員を中心とした購買行動データ

Amazonはeコマースの中心であり、AIによる購買体験を外部企業に明け渡すインセンティブがほとんどない。

そのため、「AIエージェントを自社内に組み込む」方向で進化していくことになると思われる。


5.2 日本市場の動向

一方日本では依然としてAmazon・楽天・Yahoo!ショッピングが三強だ。

Amazonと同様、独自のAIエージェントを自社サイト内に組み込む方向で動くか、

Instant Checkoutを採用することとなるか、今後の動向は気になるところである。


5.3 普及の条件とユーザー心理の壁

技術的な準備が整っても、AI購買が主流になるには以下の2つの壁を越える必要がある。

① 信頼性の確保

AIが「勝手に買った」と思われない設計。購入確認・返品・履歴の透明性が欠かせない。

② ショッピングの“楽しさ”との両立

AIが自動で最安値を見つけても、「自分で掘り出し物を見つける楽しみ」を重視する層も多い。

「自分で選ぶ楽しみ」を重視する層もいる。

万人に対する普及は、「代行」ではなく「共助」としてのAIアシスト設計が重要になるだろう。


今後のAIショッピングの動向は「AIと人間の購買行動をどう共存させるか」に着目して、日々のNewsを確認していきたい。